こんにちは。鵜飼です。
先日開催したプロジェクトで葛利毛織工業に
お越し頂いたお客様ありがとうございました。
“こんな体験初めてでした”と
お客様からリアクションを頂き心底嬉しかったです。
あの場所で生まれた空気感や熱量は、感慨深く一生忘れません。
デザイナー、そして機屋さんも終始良い顔していて
あっという間の2日間でした。
在庫は3点のみですが、明日11/5 19:00-より
ONLINE STOREで販売致します。
そして
私達のフォーカスする場所は
尾州のウールから山形のニットへ。
Instagramをご覧になっているお客様はご存知の通り
先週臨時休業をとり、Unlimitedloungeスタッフ全員で
BATONERの工場奥山メリヤスに伺いました。
工場のある山形は名古屋空港から直行便で
約1時間、愛知に比べるとぐっと気温が落ち込みますので
私達はBATONERに身を包み日本のニット聖地へ。
現地ではセールス岩田氏がアテンドして下さり、
染色工場(糸を染める)や、紡績工場(原料から糸にする)も
見学させていただきました。その一つの工程においても
質感の良さを引き出す為の日本企業の努力が読み取れ
非常に良い経験となりました。
山形名物の冷たい肉蕎麦をご馳走になり、
ようやく目的地の奥山メリヤスへ。
細かく一通り工程の説明を聞いた後、
奥山社長と今週末発売する別注品のことや、
イノセントカシミヤシリーズのこと、
最上級のGOATシリーズについてのお話しを伺いました。
もうクオリティの高さや商品説明を語るよりも
BATONERというブランドを伝えるには、
奥山氏に語って頂くことが一番だと思いまして
今回BLOGは、山形出張の特別編ということで
対話形式でお伝えさせていただきます。
それでは早速。
”カシミヤについて”
鵜飼:奥山さんそういえばモンゴル行かれていませんでしたか?
奥山:はい。改めてカシミヤってなんなのか? って現地に行って
体感しないと根本から飲み込めないなというのが正直なところで、
現地に行って原料を触り、知り得たからこそ
クリエイションに落とし込み生まれる何かがあるのかなと思い、
来季の仕込みも含めて行ってきました。
鵜飼:やはりやばい素材が見つかったのですか?笑
奥山:良い素材を使っているってよくあることだと思うんですよ。
僕らは素材の選定から料理までこなす。
カシミヤをどう調理したら美味いと感じて頂けるかを
試行錯誤しながら最初から最後までを調理して
お客さんに提供する。それが私達の強みですからね。
素材に関しては来年を楽しみにしていてもらえたら、、、笑
鵜飼:世界最高峰のカシミヤの産地ですから
やっぱり凄い設備なんですか?最近内モンゴルの
カシミヤを使ったブランドさんとお取引しているので
お話しを伺う限り日本との違いがあるとお聞きしてますが。
奥山:僕が行った所も原料から製品になるまで製造するという
対応をしていて、原料でも製品でも提供を行っています。
そして編み機に関しては中国製なのかドイツ製のものなのか、
もしくは日本製の編み機なのかは工場によって違いますね。
カシミヤを現地調達して一貫して糸にして製品にして
持って帰るというのが世の中のブランドの大半だと思います。
奥山 : ですが僕がやりたいのは現地調達した良い原料を日本の
クオリティの高い紡績をし、精紡して糸を染め、自分達で編み立て
縮絨のクオリティチェックまでやるべきだと思っている。
そこまで入り込んでやることにファクトリーブランドとしての
プロダクトの強さや作る意味にも繋がりますし。
鵜飼:素晴らしいですね。
つまり、原料以外の工程は日本で行うことにも
ブランドとしてMADE IN JAPANへの使命感みたいな
想いもあるということなのでしょうか?
奥山:そうですね。自分たちの持っている機械を使って作る
過程が大事だと考えています。そこには自分たちが関わる人達に
幸せになってもらいたいという想いもあります。
丁寧に1つ1つの工程をじっくり吟味して最高に良い物ができて、
自分達が関わる人たちに良い生産サイクルが出来て
最後にお客様の手に渡る流れは最高に嬉しいです。
” INNOCENT CASHMERE “
鵜飼:BATONERの秋冬定番品として発表している
INNOCENT CASHMERE に関して聞かせて頂けますか?
奥山:イノセントとは直訳すると純粋な、無垢な という意味。
カシミヤのクオリティーで勝負するために作った定番のシリーズ。
雑味のない綺麗なカシミヤの糸を使っていて白度(白さ)が高く、
綺麗な色が出て且つ風合いが良いのが特徴です。
定番と呼ばれるものには余計な味付けはせず、
1番のワードローブとしてフィットしやすい
着心地を求めたクオリティのものを作ろうと思いました。
鵜飼:なるほど。なのであの10Gという
絶妙な厚みの提案だったのですね。
奥山:そうです。1番最初にやり始めた10G のカシミヤは意外と
ありそうでない肉感だなと。綺麗な目面でいい塩梅の
カシミヤを表現出来る、ちょうどよさを求めました。
季節感も含めて 普通っぽく。
鵜飼 : ハイゲージのニットよりも安心感があるし、カシミヤ=冬物
みたいな固定概念を取り払って特有の気持ち良さを長期間
味わえるのは良いですね。とはいえ肌寒さも防げる肉感ですし。
奥山:春頃に着られても全然大丈夫ですし、一枚で様になる
ような風合いです。10月末-3月末までは着れるイメージ。
約 半年(4,5 ヶ月) くらいは活躍できると思います。
鵜飼:そして今年は、もう1段階厚みのある
ミドルウェイトがでましたね。この辺りは分かり易く
暖かさを感じニットらしい風合いもあり反応が楽しみですね。
奥山:今まではもう少し薄さのある10GG のものをベースに作って
いましたが、今年は新作としてカシミヤ100%のドライバーズも。
これはアウターライクにしたかったので
少しだけ厚みを持たせたタイプも作ってみました。
復活したヘビーウェイトも合わせると3種類の厚みでアイテム提案も
異なるのでその辺りも楽しんで頂けるようになりました。
鵜飼:改めてラインナップやば過ぎますって(笑)
その厚みやデザインの意図を汲み取ると選び切れず
24AWはイノセントシリーズから7型もセレクトして
しまいましたよ。しかも全部CHARCOALで、、、
奥山:良いですね。正確にはBLACKというカラー表記ですが、
このTOP染めにしかない風合いに惹かれますよね。
鵜飼:そうなんですよ。去年一人で山形に伺った際に染色工場に
連れてって頂いてから染色の工程で質感や風合いに差が出ることを
理解しました。そして、奥山さん岩田さんに会うたびにTOP糸を
使ったニットを着ていらっしゃることに気づき、
周りのデザイナーも思い返すと皆着ていて素敵だなと。
それが今シーズンCHARCOALに取り憑かれたきっかけです。
鵜飼:少し内モンゴルの話に戻りますが、どのカシミヤが良い
とか奥山さんの中で優劣はあるのでしょうか?
奥山:カシミヤヤギの生息地はとても広く、西はゴビ砂漠、
西に比べて東は日が先に上りよく当たる緑地なので
どちらも寒暖差が激しいエリアでも気候に差があります。
今回、イノセントシリーズで使っているのは東の方ですが、
どっちのエリアのが柔らかいとかではなく、種類や育った
環境に左右されるので一概に良いとは言えなくて、、、。
例えばアラシャンという地域でとれたカシミヤがブランド化
されていたり一定の基準で育てられたことで高額になるんです。
値段の高低差の部分で言うと安いカシミヤなんかは色んな
カシミヤをブレンドしている訳ですが、タグ表記はカシミヤ100%で
クオリティの高いカシミヤと同じに写ってしまうのはよくあります。
そこは色々と難しいなとよく感じますね。
“GOAT”
鵜飼:とにかくマニアックなラインが始まりましたね。
今回のイベントで初お披露目となりますので
最後に少しお話しを聞かせてください。
奥山:24AWから始めた企画です。
なんで “GOAT “したかというと、英語のスラングで
最高という意味とカシミヤヤギの “GOAT” を掛けました。
このシリーズはシンプルに僕が着たいというのが
第1にあって進んでいくプロダクトです。
普通やれないことを実験的に行い形にしているので、
通常のニットに比べると挑戦的なプライスになってしまいますが
純粋に自分の興味と向き合い、普段使うのをためらっちゃうような
格別なクオリティの物をそんな使い方するの?
っていうことを実はやったりしています。
落とし所としてはシンプルに作ってはいるのであえて分かりづらく
作っている実験的な意味合いが非常に強いシリーズ。
出したり出さなかったりと自分のやりたいように
やっていく想いで作っています。
鵜飼:アラシャンカシミヤのハイネックとクルーや、
カシミヤシルクのスウェットも素敵ですし、
32Gでのカシミヤニットなんて変態過ぎますって、、、、
この質感ってどうなっているんですか?
奥山:GOATの 32G のスムースのカシミヤは紡毛で作っています。
ここまで細番手の紡毛はかなり難しく、課題をクリアするために
時間の掛かる編み機で編んでるのですが、普通やらないと思います。
素材も繊細なので 通常ウールでもものすごく時間が掛かりますが、
それ以上に時間掛けて、理想を目指し、
何度も試行錯誤を重ねた企画です。
鵜飼:ハイゲージで紡毛っていけるものなのでしょうか?
聞いたことないのですが、、、、
奥山:ハイゲージで紡毛はほとんどないので珍しいというのも
ありますが、より分かりやすい特徴としては詰まっている分
糸もかなり使っています。ですが通常のハイゲージよりも軽くて
暖かいのが特徴で自宅でもしっかり洗えます。
紡績の段階から糸の番手を指定して糸から作って形にしていきます。
紡毛糸でできる細番手のギリギリの限界値にしています。
注意して欲しいのは、カシミヤならなんでも細番手が引ける
訳ではないクオリティと強度が備わってないと成立しませんね。
鵜飼:改めてやばいですね。
素材のクオリティだけを武器にするのではなく、
まさにどのような製品を作りたいかで
原料、糸、編み、加工を熟知した上で
丁寧に組み立てていくのですね。
奥山:はい。流行りに捉われることなく、
僕らは同じ事を継続して積み重ねていくスタイル。
なので僕らはシーズンテーマを大きく変えることはないです。
ウールはウールでいっぱい種類があるように、
カシミヤでも同じように種類があります。
産地によって特色が違ったりクオリティも違う
BATONERで取り扱う素材は作りたいもの、
目指すものによって使い分けています。
11/9 12:00- START
[INNOCENT CASHMERE]
“INNOCENT CASHMERE CREW NECK”
color:BLACK
¥50,600 taxin-
“INNOCENT CASHMERE TURTLE NECK”
color:BLACK
¥50,600 taxin-
“INNOCENT CASHMERE RIB CREW NECK”
color:BLACK
¥57,200 taxin-
“HEAVY WEIGHT INNOCENT CASHMERE CREW NECK”
color:BLACK
¥90,200 taxin-
“HEAVY WEIGHT INNOCENT CASHMERE PANTS”
color:BLACK
¥90,200 taxin-
“MIDDLE WEIGHT INNOCENT CASHMERE CREW NECK”
color:BLACK
¥70,400 taxin-
“MIDDLE WEIGHT INNOCENT CASHMERE DRIVERS KNIT”
color:BLACK
¥74,800 taxin-
[GOAT]
“ALASHAN CASHMERE LONG SLEEVE CREW NECK”
color:GRAY,NAVY
¥66,000 taxin-
“ALASHAN CASHMERE LONG SLEEVE HIGH NECK”
color:GRAY,NAVY
¥66,000 taxin-
“32G SMOOTH CASHMERE LONG CREW NECK”
color:CHARCOAL,BLACK
¥77,000 taxin-
“SILK CASHMERE LOOPWHEEL CREW NECK”
color:GRAY,BLACK
¥77,000 taxin-
【schedule】
11/9-17 BATONER LIMITED ITEM Release
24AW START & POPUP SHOP
11/22,23,24 THE RERACS 25SS exhibition
【 UNLIMITED -lounge- 】
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-23-24
NAGOYA FLAT 1F
052-251-6680
https://unlimited-web.jp/