今週末から発売開始する
別注アイテムに関してのBLOGを2部構成でご紹介させて頂きます。
今回は”生地”にフォーカスした内容を。
元来生産スピードが遅く、原料を厳選する姿勢から生産量も少ない上、非常に高額な為、
世界のトップオブトップに君臨しながらも、既成品の世界では耳にすることがほとんどない
”DAVID & JOHN ANDERSON ”(以下DJA)創業200年を迎える生地メーカーの
極上コットン素材を知るきっかけになったのは”TheCLASIK”の展示会でした。
”200番手”という聞いたことのない数値の糸で織られた素材は、
これまで触れてきた上質な素材の常識を覆すほどの衝撃でしたね。
まず、糸の太さを表す”番手”という単位は
数字が高くなるほどに糸が細くなり、数字が低くなるほどに糸が太くなります。
40-60番手/カジュアルシャツ
80-120番手/高級ドレスシャツ
140-160番手/最高級ドレスシャツ
といった具合で分類されます。
有名なTHOMASMAISONの最高級GOLDラインで140番手といった感じ。
200番手というとてつもない数値の位置付けは、
一体どうゆうものなのだろう?と興味が湧く方はこのままお付き合い下さい。
興味のない方にとっては、
ただのマニアックな世界に突入するのでそっとこのページを閉じて下さい。
お付き合い下さりありがとうございます。
改めまして鵜飼です。
読んでくださる方と価値観が近そうなので仲良くなれるような気がします。
早速参りますね。
TheCLASIKで採用しているDJA 200/2ポプリン素材は、
200番手双糸といって200番手の糸2本を撚ることで強度を持たせています。
ここまでの細さのものは、整経といって人の手によって経糸を整えなければ
切れてしまうほど繊細な為、高度な技術と最新鋭の織り機を使い
限界までゆっくりとしたスピードで織り上げています。
非常に巧妙なプロセスで、長年の経験を持つ熟練した製造技術者が
織機ごとに1人がつきっきりで作業を行ない、
最終仕上げは、最も優れたイタリアの加工場で
伝統に裏打ちされた風合い出しがされています。
全ての工程を経て、毛羽立ちのないクリアな表面で濡れたような
シルキーで柔らかなタッチのコットン素材が生まれるのです。
ただ、現在この数値にたどり着いた日本の生地も存在していて
間違いなく良いものなのですが、DJAはレベルが違います。
世界最高峰のハイゲージに特化したメーカーが、200年の歴史の中で積み上げてきたものは
組織の密度や精度、そもそもの糸の原料への拘りが半端ではないので、
そこが手触りや風合いにダイレクトに反映されています。
そして、世界のセレブリティ向けに、最高レベルで”330番手”という
本当に化け物のような数値の生地も作っているので、
200番手がMAX値じゃなく平常時に作り続けているのですから
やはり熟練度という部分でも違いが出てきますよね。
最後に、原料の話を。
”GIZA45”という素材がお好きな方ならご存知の綿花を100%使用しています。
GIZA(ギザ)というエジプトで採取される超長綿は、繊維が極めて長いことが特徴。
繊維が長いと、凹凸感がなくなめらかな糸に仕上がるので、長い繊維ほど良い綿とされています。
そのGIZAの中で最高級とされているのが”GIZA45”
化学肥料や殺虫剤・除草剤は一切使わず、全て手作業で摘み取られ、慎重な工程を経て栽培されます。
世界綿花総生産量の0.001%ほどという、極めて希少なもの。
更にそこから、DJAが”長さ”細さ”強さ”をかなり高い基準で選定し、
基準を満たした高品質中の高品質なものは、GIZA 45の生産量の2%。
それだけ選び抜いたGIZA 45のみが採用されていて、
一部だけ使い謳っているのではなく”100%”
そんな贅沢な原料で織られた生地なんて想像するだけでやばいですよね。
ここまで説明してきましたが、
実は、生産量の問題や諸事情により”DAVID&JOHNANDERSON”生地の
国内流通量が激減してしまい、今シーズンのTheCLASIKで”DJA”シャツの販売はございません。
現在は、メーカー側の生地ストック分で生産しているような状況のようで
今後国内で見られなくなっていく傾向にあるようです。
こんな素晴らしい生地を知っているのに、お客様に販売できないのは
洋服屋として非常に悔しいですし、TheCLASIKのデザイナー田中氏にご協力して頂き、
Unlimited-lounge-用に一反生地を買い付けし、
今回特別なシャツを作って頂きました。
続く、、、