Unlimited-lounge- 20周年という節目に、
私達が届けたいもの。
それは完成したプロダクトだけではなく、
そこに込められた想いや、作り手の存在です。
限定アイテムの制作にあたり、
デザイナーへのインタビューを行いました。
” BATONER “
奥山 幸平 氏

鵜飼(以下U) :デザイナーになった経緯をお聞かせください。
奥山氏(以下O):実は、若い頃から目指した訳ではありません。
奥山メリヤスでモノ作りをしている中で想いが募り
自社が持つ特徴、産地の持つ機能を掛け合わせ
今までに無かったニットブランドが作れたらという
想いでスタートしました。
U:2年前のインタビューでおっしゃっていたように
今から13年前ホテルの一室での展示会から
BATONERが始まったという訳ですね。
初めてバイイングに伺った時から
既に凄まじい品番が並んでいたので創立当初の姿は
想像もつきませんけど、 どれを手に取っても素晴らしかったので
ほぼ全品番を一人で着させて貰ったのは今でも記憶に残っています。

U:昔はどんな洋服を着ていましたか?
O:昔、、、色々な服を着てきました。
90年代後期が学生時代でしたので古着、
インポート、メゾン、デザイナーズ、裏原、ストリートなど
当時はカルチャーに触れる度に触発されておりました。
結果その経験が今のクリエイションには裏打ちされていると思います。
U:そうでしたか。BATONERのニットって
これはこうゆうニットだよと素材やディテールが
全部語りかけてくれる感覚になるんですよ。
その説得力って奥山さんの見てきた経験による
アウトプットによるものなんだと腑に落ちました。

U:今回春夏では初めての別注を取り組ませて頂きます。
私達は、BATONER 春夏の代表素材として苧麻(ラミー)を推奨していて
その素晴らしさを深くお客様にも伝えたくて
今回当店の為の完全オリジナルの形で依頼させて頂きました。
まずを苧麻を手掛けるきっかけについてお聞きしたいです。
O :私たちが取り扱う素材として主にウール、カシミヤなど、
ニットの代表的なものは必然的に秋冬に適した物が多く、
一番需要がある季節が必然的に秋冬になってしまいますけど
BATONERはニットのブランドなので、
皆様に一年中ニットを着て頂きたいと思っています。
U:春夏にニットって良いですよね。
ニット=暖を取るものってイメージも
昔より比べて変わってきたように思いますが
私達は苧麻に出会って圧倒的な
涼しさとその質感の虜になりました。
O:長く着れるニットとしてコットンが春夏では
一番メインで取り扱ってる素材ですが、
苧麻のような独特の風合いっていうのは
この素材でしか表現出来ない魅力があります。
U: 本当にたまりませんよね。
苧麻を混紡した洋服は出てきていますけど
BATONERって苧麻だけじゃなく、カシミヤは当たり前かもですが
モヘアまでも100%で作られているじゃないですか?
そこに拘りがあるのでしょうか。
O:昨今ブレンドしたり、異素材同士を掛け合わせて企画されてる
商品が多々ある中で、私達が100%でやる理由は素材の持つ
表情や特性をそのものを味わって貰いたいなっていう想いがあります。
今回の苧麻素材も実際扱いが難しいこともあり
他がやっていないからこそ面白いと思っています。

U:ラミーって麻素材の一種として捉えても正解だと思いますが、
メジャーな麻として浮かぶリネンとの大きな違いとかってありますか ?
O:分かりやすく言うとリネン(亜麻)はヨーロッパ産の麻。
ラミー(苧麻)はアジア産の麻。って分け方ができます。
苧麻の方がより自然な光沢感があって、繊維にハリがあります。
折れ曲がりやすい繊維の特徴があるのでニットにした時に
メラメラっとした表情、ナチュラルな光沢感
っていうのは苧麻ならではの特徴。
リネンで作ってもこうはならなくて、あくまで苧麻 だからです。
U : リネンになるともっとクタッとする感じですもんね。
先ほどおっしゃっていた扱いの難しさ部分を
少し踏み込んでお聞きしたいです。
O: 糸が繊細なのでちぎれ易くて、
凄くロス率が高くって大変な素材なんです。
U: リネンより単純に糸が太いから簡単に作れるのかなって
思ったりしましていましたが違うようですね。
O:実際糸を太くして作れば工程は楽になりますけど
ただ、このテクスチャー感は表現出来なくなりますね。
糸を凄く細く、紡績してハイゲージで編むことでしか
この感じが出来ないので、そこに拘りを持っています。
また、天然の植物の繊維なので乾いてきてしまうと
繊維がスッと抜けやすくなるんです。
ロープで例えると分かりやすいですけど
強度を出したい時って濡らしたりするじゃないですか。
ある程度湿気を持たせながら編まないと編めないんですよ。
U : わざわざそんなことしてるんですね。
糸に湿気はどうやって含ませるんですか?
O:手作りの冷蔵庫サイズの機械の中で
加湿をした状態で2.3日寝かせてから編んでいます。
そこが凄く大変。それでも穴が空いたり、
編み地に不良が発生しやすいのがロス率が高い要因なんですね。
なので形にするのはどの素材よりも
実は一番大変な素材かもしれないですね。
ただ、形にしてしまえば切れることはないので安心してください。
あくまで糸を作る工程から編み立てるまでが切れやすいだけなので。
U: わざわざ難しいハイゲージにして、
普通じゃ編めないからといって自分たちで加湿してなんて
ストイック過ぎますって、、、(笑)
ちなみに洗っていくとどうなっていきますか?
O: 繊維の折れ曲がってる感じは残り続けながらも、
柔らかさが出てきて、苧麻の繊維感がいい感じに毛羽が出てきます。
U: ダレてこないんですか?
O : ダレてこないです。

U:このゲージと密度のバランスは
どうやって辿り着いたのでしょうか?
O:この18ゲージに辿りつくまで
30パターンくらいはやったかもしれないですね。
ゲージから糸の太さも変えてやってるので
パターンで言うと無限大じゃないですか。
製品化した時に凄いちょうどいいが見つかるまで試し続けました。
U: このシアー感で大人の男性が着ていてもいやらしくない
映り方が出来る唯一の素材だと思っています。
O: そうです。これ以上詰めると切れやすくなる限界まで攻めてます。
透けそうで透けないっていうギリギリラインを狙ってます。
しかも着て貰うと凄いスースーするじゃないですか。
柔らかすぎないので肌に吸い付かないですし、
極端な話、インナー着ずに1枚で着ても
中は透けない不思議な感覚の素材です。
Tシャツとの差別化も出来て、
大人がさりげなく着れる佇まいのモノってありそうでない。
コットンで上品にやるのも一つのスタイルではあると思いますが、
もう少しナチュラルなテクスチャー感をさりげなく演出してくれて、
スラックスでもデニム、何にでも合わせられる
主張し過ぎずスッとスタイルにハマってくれます。
僕自身も凄く気に入っています。

U: 20周年の別注企画でお願いしたデザインについて
お聞きしたいなと思っていてどうでしたか?
O: 今回依頼して頂いた仕様に変えることで
ちょうどいいバランスでミックスされていて
アンリミテッドさんらしい抜け感になったなと感じています。
インラインのヘンリーネックでは、首のリブが約2cm幅ですが、
今回の別注企画は1cmにし、前立ての幅が少し多めにとってあって
スリーピングシャツみたいな感じの仕立てにしてあります。
生地の独特な表情、清涼感といい感じになっていると思います。
U: ありがとうございます。
こうして実物見ると成形編みやニットでしかないディテールの
オンパレードでどう形にするかを考えて下さったんだなと感動します。
裾のディテールに関しては、奥山さんがおすすめして下さった
ブラウジングを迷わず取り入れてみたいと思いました。
O:リブの組織から身頃の組織に縫い目がなく切り替えられるのって
僕らが日頃やっている横編みという部類の
機械でしか出来ないことなんですよ。
カットソーとかは、リブを縫製してつなげているので
自然なブラウジングっていうのは中々難しく
Tシャツとニットの良いとこをとって自分たちの解釈で
フォルムのあるTシャツを作りたいなって思ったことが
きっかけで始まったディテールです。
自分も着ていてリブが腰でブラウジングされると
色んなスタイルにもハメやすいんですよね。
クラシックなジャケットスタイルのインナーにも合わせやすいし、
股上が深いワイドなボトムスと合わせる時は
リブを中に折り込んで合わせるとスタイルとして合わせやすい。
素材もさることながらパターン的な側面からも
このブラウジングっていうのはスタイルが作りやすい。
ニットでしか出来ない技法をこの企画には沢山採用させて頂いてるので
色んな良い部分が盛り込まれてるなって思います。
U:ありがとうございます。
このアイテムがきっかけで夏にニットを着て頂けたり
ジャケットなどのインナーとしてスタイリングが広がれば
苧麻の長袖やカーディガンの魅力にも気づいて頂けると思います。
O:苧麻素材は、私たちの春夏での核となる素材になっています。
実際に購入して頂いたお客様からは
リピートが多く、凄く好評を頂いてます。
それ故にBATONER として自信を持って
勧められる素材の一つになりました。
春夏のアイテムとして推していただければと思います。
ありがとうございました。
【 schedule 】
“5/16” 20th exclusive by BATONER
“5/23” 20th exclusive by BODHI
“5/30” 20th exclusive by AL×POSTELEGANT
”6/6” 20th exclusive by Kearny
“6/20” 20th exclusive by THERERACS
“7/11” 20th exclusive by Producttwelve
“7/24-7/27″RAINMAKER 27ss PreOrder
【 UNLIMITED -lounge- 】
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