Unlimited-lounge- 20周年という節目に、
私達が届けたいもの。
それは完成したプロダクトだけではなく、
そこに込められた想いや、作り手の存在です。
限定アイテムの制作にあたり、
デザイナーへのインタビューを行いました。
“RAINMAKER”
渡部宏一氏

鵜飼(以下U):皆様にお聞きしています。
なぜデザイナーになったのですか?
渡部(以下W): 元々は公務員になりたかったんです。
どんな仕事に就きたいとはありませんでしたが、
漠然と堅い仕事に就きたかった。
(U):そうでしたか。すごく意外です。
そこからどういう経緯でデザイナーに?

(W):本格的にファッションデザイナーを目指したのは
高校2年生の秋ですね。僕は普通科で今の奥さんと付き合っていて、
彼女は生活文化学科で学校の文化祭でファッションショーを
やることになりデザインを一緒に考えたり、
手伝ったりしてそれが楽しかったこと。
そして純粋に喜んでくれたことが一番大きかったですね。
(U):人の喜ぶ姿からなんて渡部さんらしいですね。
初め公務員とおっしゃった時は、驚きましたが(笑
想像していた回答で安心しました。
(W):どんな仕事でも人に喜んでもらい
社会に寄与できることが、一番の主軸で
それによって対価を得ることが
存在意義だと僕は思っています。
(U) : 私達だけじゃなく、イベント時のお客様への対応だったり皆が
ファンになってしまう渡部さんの素敵な人柄の根底はそこなんですね。
その後高校卒業してからオーダーシャツの会社に勤めたのですか?
(W) : はい。大学一年生の時に、大学通いながら午前中は大学で
午後からオーダーメイドのシャツメーカーでアルバイトさせて
頂いてみたいな感じでしたね。それから在学中に
洋裁教室に通って自分で洋服作りをしていました。
(U) : 生粋の物作りの人ですね。
ちなみにパターンも縫うものご自身で?
(W):上手ではありませんが、ミシンも踏んでパターンも引いていました。

(U) : 当時はどんな洋服を着ていたのですか?
(W) : 自分が作った服か古着が多かったですね。
高校生の時はお金もないし、
祖父のいらなくなったスーツを解体して、
自分に合うように作り直して着ていたりしました。
(U) : そうなんですね。初めて渡部さんに会った時は、
LANVINのコート着ていたのが印象的で
てっきりメゾンがお好きなんだろうと当時は思っていましたが、
実際デザイナーズブランドよりも古着のスポーツブランドなど
ポジジョンニングがはっきりとした洋服の方がお好きなのかな?
と僕は感じていてその掛け合わせたスタイルの大ファンです。
日々の服装をインスタにアップして欲しいぐらい(笑)
(W ) :ありがとうございます(笑)
文化と文化を掛け合わせるのって面白いじゃないですか。
夏はショーンが手掛けてた頃のstussyのTシャツとかも着ますし。
違う文化圏同士がぶつかって新しいバランスになり、
自由に横断する感覚を楽しむようにしています。
(U) :では次の質問に行きますね。
物作りにおいて大切にしている部分はあるのでしょうか?

(W) : ”伝統とは火を守ることであり、灰を崇拝することではない”
という好きな言葉がありRAINMAKERの大きなコンセプトとして、
その思想で物作りに取り組んでいます。
伝統とか歴史に敬意を払いながら懐古的ではなく
現在進行形なものづくりをしていきたいと思っています。
その上で、スーツの歴史だったりとか外せないですし、
今でも昔の時代からの洋服の片鱗とかを勉強しています。
クラシックな物作りや、オーダースーツのような世界に寄せた物作りも
求められた時にはやりますし、現代の人が着るに相応しい快適さとか
合理性みたいなものも取り入れるべきだと思っています。
(U) :なるほど。20年前と今では着たいムードも変わってきますし、
RAINMAKERもシルエットや素材使いも変化がありましたよね。
わかりやすい部分でいうと生地とか?
(W) :生地に関しては、もちろん天然素材も凄く良いし好きですし、
化学繊維は化学繊維ですごく技術が進化して素晴らしいものが
沢山あるし、そうゆうものを取り入れていくべきだと思っています。
例えば絵画だったりとか、建築だったり様々分野においても
今のものをちゃんと取り入れて進化していくべきかと。
昔の人達の時代に現代のものがあったとしたら
絶対使っていたと僕は思うんです。

(U) : 渡部さんにとってスーツやセットアップとは?
(W) :これは壮大なテーマですね、、、
スーツの歴史を紐解いて考えていくと軍服から始まり、
それが形を変えていって、原型となったラウンジスーツがうまれ、
スモーキングジャケットが生まれていったように
素材とか形とか常に更新されていっているものですから
実は守られていっているものは、
そこに込められた”思想”や”概念”みたいなものだと僕は思っています。
(U) :つまり形状は特に関係なくて時代と共に形を変えて
継承されていくものって感じでしょうか?
深いですね、、、、

(U) : 最後にプロダクトのお話しも聞かせて下さい。
20周年企画として特別なジャケットとスラックスを依頼させて頂きましたが、
あの着やすさと美しさの秘訣みたいなものはあるのでしょうか?
(W):ここ何年も作っている化繊の落ち感のある素材は、
普通に縫っちゃうとペランペランになってしまうので、
中にその素材に対して合う芯の使い方は気をつけていますね。
芯をバイアスで重ねて反発を起こして肩周りの立体感作ったり、
分かりにくいですが、そういうことをやっていますね。
(U) :あの質感で、きちんとした洋服ってRAINMAKERにしかないですもんね。
やっぱり縫製工場の技術の高さというのは関係してくるものなのでしょうか?
(W) :そうですね。僕らもコロナの時代生地見本を資料として送ったりする時に、
自分達でハサミいれて作ったりしていたんですけど、まあまっすぐ切れないですよ笑
生地が滑るので直線縫いを綺麗にするだけでも難しいレベルですね。
あの類のジャケットを他の工場さんが見られると
”これうちで縫えるかな?”なんて結構言われますね。
(U) :本当に着やすく美しいですもんね。
今回、そのテクニックを駆使し最高峰のウール生地を用いて
当店だけのバランスでジャケットとトラウザーズをリクエストしました。
しかし、高級素材故にジャケットを量産するにしても
私達の規模では工賃がアップチャージされて
価格が10万を超えてくることを懸念していましたが、
渡部さんから思いがけないご提案を頂けて震えました。
(W) :周年記念の特別なジャケットということで
オーダースーツの工場さんに縫って頂きました。
どのみち高額になるのであれば、更にクオリティを上げていくことに
鵜飼さんなら同意して頂けると思い提案しました。
以前量産も相談したこともありますが断られて、
今回は特別な企画でもあったし、着数も限定ということで
なんとかご好意で引き受けて下さったという感じです。
(U):仮に多過ぎたら断られていたってことですね。
オーダースーツファクトリーならではの技術をふんだんに取り入れつつ
シルエットと素材も提案できるここまでのアップデートは想定外でした。
本当にありがとうございます。
(U):RAINMAKERのスラックスって超一級品だと思っていて、
今回究極のスラックスを作りたいといところもあって依頼しました。
(W):スラックスに関しては、RAINMAKERのインラインも
縫って頂いているスラックス工場さんで
実は、オーダーメイドもやっているんですよ。
僕の中ではスラックス工場としては日本一だと思っています。

(U):今後の展望は?
(W) :海外に挑戦しているところに通づるかもしれませんが、
RAINMAKERの強みでもある日本や京都の美意識を大切にしながら
世界の歴史や文化と対話できるようなブランドでありたいですし
続けていきたいとおもっています。
(U) : 伝統工芸とのコラボも含めて、
RAINMAKERの活動には文化的な価値を生み出すことに意義を持ち
活動していらっしゃるように僕は感じています。
その解釈で合っていますか?
(W) :それが伝わることが一番嬉しいですね。
作るものは真面目に作るべきですし、それは大前提にあるとして
こうやって思想や哲学に共感してもらえたらブランドとして
強度があると思いますし、活動していて嬉しいことですね。
(U):本日はありがとうございました。
(W):こちらこそありがとうございました。
” RAINMAKER SPECIAL ORDER “
Limited Jacket & Trousers
2026 /02/14 12:00-
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